君の名は。という映画をみたところ大変に感動しました。
この映画では二人の人間の意識をつなぐという形で時間遡行が行われます。そしてその時間遡行/超越能力は主人公である宮水三葉の一族に相伝されてきた能力であることが示唆されます。
そしてその宮水の一族が暮らす糸守町は何度も隕石による災害を受けてきました。確認できる限り最低二回、あるいは三回もの隕石の直撃を受けています。
また彗星の軌道が非常に不可解であることが有志により指摘されています。
これが意味するものは何か。それはティアマト彗星とは自然現象ではなく糸守の排除を目的としている軌道爆撃機だということです。作中でもティアマト彗星の分離が自然現象としては説明し難いということが解説されており、同じ個所を何回も隕石が衝突することも通常考えづらいため、これが宇宙生命体の軍事行動だと考えるのが一番自然なのではないでしょうか。
糸守という土地ないし宮水の一族は時空を破壊し過去へ遡行する能力を持っています。これは宇宙に暮らす全生命体にとって非常に危険な存在であり破壊しなければならない。さもなければ自身の存在が不確定なものとなってしまうからです。
主人公の宮水三葉はこの時間遡行の能力を彗星災害回避のために宮水一族に備わったものだと劇中推測しています。しかしながら村に相伝されてきた文書資料が火災により喪失されているためこの推測が正しかったのかについて劇中では明らかにされていません。であるならばまず糸守と宮水があり、故に異星体の軌道爆撃を受けていると考えても矛盾はないということになります。
ところで宮水一族のもつ時間遡行の能力は使用者の記憶に干渉するということが劇中示唆されています。さもなければ時空の矛盾という現象に巻き込まれた側の男性が気づいてしまい、歴史改変による重大な問題が発生する可能性があるからでしょう。
このようにこの世界では記憶や認知に介入するなんらかのテクノロジーが存在しており、ティアマト彗星側も同様のテクノロジーを用いて人間に介入することによって軌道の不自然さなどを人間に気づかせないようにしていたのではないかと考えることで軌道問題についても解決を見ます。
異星体は今回の軌道爆撃も失敗しました。結果として宮水一族も糸守という土地も御神体も破壊することができなかったからです。彼らはこの結果のフィードバックをうけてまた次の 1200 年後に攻撃を行おうと考えるのでしょう。
しかし、彼らにはもう時間がありません。人類はいずれ自らの星に時間遡行のテクノロジーが存在していることに気づくでしょう。そして時間遡行のテクノロジーを超光速航行へと転用することによって無窮の宇宙へと進出してゆくことになるはずです。
その時代、少なくとも「彼ら」は人類の敵となることはありえません。彼らが確実に糸守を破壊したかったのであれば地球そのものを破壊するだけの質量兵器を投入すればよかったのに彼らはそれが出来なかった。人類は違います。人類とは自らがもてる最高の火力を同種たる人類に対しても投入できる種族であり、そしてそんなことをした上でまた新たな友好関係を築いていける。そのような冷酷にして柔軟な種族だからです。
人類は宇宙に存在する様々な種族と出会い、そして駆逐し、人類による銀河帝国を築くことになるでしょう。もう一方の主人公立花瀧はおそらく大成建設に就職したはずです。銀河帝国の時代は恐らくかなり早くに訪れます。その時代彼は大いなる宇宙で、銀河へと進出した大成建設のもとで、人類の足跡を証明する偉大な都市の建設に技術者として従事していることでしょう。