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谷甲州『工作艦間宮の戦争』

https://www.amazon.co.jp/dp/4152097701

非常に辛い本です。展開に妥当性は一切なく、そもそも物事の前後関係すら読んでいて明らかではなく、登場人物の思考回路はどの一人を切り取っても完全に破綻しています。

この本は雑誌連載をまとめたものに加筆し、最後に一篇書下しを加えたというものです。そして読んでいて多くの人が気付くことかと思いますが、後に書かれたものほど破綻の度が激しくなっています。

連載は 16 年 12 月から掲載が開始されました。おおよそ 1 年半かそれ以上の年月を投じて書かれたことになるかと思います。

ここではっきりと指摘しなければならないでしょう。おそらく著者の谷甲州先生は認知症を患っています。そして、この一年ほどでそれを抜き差しならない状態にまで悪化させています。そうとしか思えません。

先生は 10 年以上前からパーキンソン病を患っています。そして、非常に悲しいことですが、パーキンソン病罹患から 7-8 年も経過すれば多くの場合認知症を併発します。 10 年も経てば、、、という話です。

反乱をおこし懲罰をうけた大尉が脳改造手術の末に軍曹に降格する、という展開があります。その軍曹が「当然だが大尉以上にはなれない」と考えてから「軍曹から佐官に昇った例もある」と考えるまで、僅か数行です。どう考えてもまともな状態じゃありません。

この作品の異常っぷりを文章で伝えるのはなかなか難しいので、書店で最後の方数ページだけ確認してみてください、としかこれ以上は言えません。

私はこの作品を書いてしまった谷甲州先生を批判する気にはなれません。私が先生の作品にはじめて触れたのは、多分『急進真珠湾の蹉跌』だったと思います。もうはっきりと覚えていませんが、まだ小学生のころだったと思います。それ以来今に至るまで先生の大ファンです。だから批判をする気になれない、というわけではないです。駄作が出れば批判することもファンの仕事でしょう。そうではなくて、あきらかになんらかの異常、それは先述の通り認知症の悪化の結果これが出たとしか思えないからです。

私が批判したいのは、早川書房の皆さんの決断です。まず、この作品はハヤカワの SF 作品として世に出していい品質ではありません。そして、それ以上に、こんなものを出してくる先生は、おそらく一般の社会生活にもかなり支障が出ている状態だと思います。近くに接している編集者の方であればそれは分かっているはずです。先生の名誉の為にこの作品の出版を差し止めることが編集者の仕事ではないか、と私は思います。

2018 年、谷甲州先生の作品はあと 2 冊刊行が予定されています。すなわち

です。これらの作品がまともな水準で仕上がっている可能性は、皆無だと思います。中央公論、河出書房で編集を担当されている方の熟慮を願う次第です。

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