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自動運転車が奪うもの

自動運転が社会に浸透する結果ドライバーが無職になる!!大変!!という話ばかりを見るような気がしますが、事態はもっと深刻なのではないでしょうか。

自動運転タクシーが社会に浸透し、定額乗り放題プランが普通となり、そして車を所有するよりも定額乗り放題を契約するほうが遥かに安いという日は、すぐに来るでしょう。そのようになった日、誰が車を買うだろか、という問題があります。

そのような日、車の需要とは自動運転タクシー会社の消耗分のみになるでしょう。一部超高級車や趣味性の高い車は依然として需要が残るでしょうが、それらの需要では大した雇用を生まないことは分かりきっています。

車の需要が大幅に減少する結果として車一台一台のコストは上昇するでしょうが、いずれにせよ自動車製造業という莫大な雇用がほぼ消滅に追い込まれることは確実なのではないでしょうか。

また住宅の需要という問題もあります。通勤/通学の時間が多少伸びたところで、その時間を余暇や睡眠にまわすことが出来るのであれば、都市部の高価な不動産になんの価値があるだろうかということです(こうした問題について考えるとき、東京に住んでいる人は自分のことはとりあえず忘れてみるのが重要です、神奈川県民でさえ多くの人は車通勤をしているという事実を考えてみるべきです)。

またオフィスだって別に都市部にあるメリットはあまり無くなってくるでしょう。

さらに自動運転が普及する結果渋滞なども激減していくでしょうから、郊外と都市部の住宅地としての価値の違いは激減していくものと思われます。

建設業界が都市部の大型集合住宅大型オフィスビルに頼りきった状態になっているというのは洋の東西を問わず見られますが、これも大打撃を受けるのではないかということです。

ここで最大の問題となるのは結局いつもの話で、ドイツの過剰生産能力です。過剰生産能力とはつまり人口が過剰であるという意味であり、これを容易に解消することなど出来ませんし、解消しようとした結果中国と日本はより大きな問題を背負いこんでしまっています。

ドイツの過剰生産能力が 100 年前と 70 年前とに起きたかということを今のうちから考えておくというのは決して心配過剰ではないと考えています。

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