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RAIL WARS の揉め事について雑感

RAIL WARS 原作者が、アニメの鉄道描写にマジギレしてスタッフの首をすげかえさせた

というような怪文書が流布されたことがありました。作者は明確にこの怪文書を否定していますが、怪文書の対象にされた人がどう言ったところでそのまま信用するというのはあまり知的な態度ではありません。そこでこの問題について気になった僕はとりあえず原作 1 巻を読んでみました。

すると

山の手線は國鉄総裁の「東京の顔は最新の車両にすべき」との指示で、國鉄史上初の幅広車体、ステンレスボデイを採用した。

しかし、実はこの車両の寿命は短い事が分かり、例の「丈夫が一番」という方向に方針が変更になった。だから、それ以降の新車については中央線のように鋼鉄製へと戻った訳だ。

という描写がありました。これは致命的におかしい話で、史実におけるステンレスボディが短寿命であるのは「そのように設計されている」からです。減価償却までの期間を最低限のメンテナンスで使えるようにし、減価償却したら速攻でリサイクルにまわすという運用の方が結果として安上がりという判断からそうなっているわけです。

もし作中世界のように、「最初から短寿命運用をするつもりが無い」という場合従来車体同様の運用となるので、 20 年 30 年と長期間の運用になるはずで、「作ってみたら寿命が短かかった」ということはありえません。

またステンレスボディについては「サビが出ることを考えなくてよい」故にある程度ボディを薄くすることが出来るので軽量化されているという話で、鋼鉄車体の場合はサビ代の分を強度計算する場合は除いて考えなければならないわけで、結果として車体の耐久性や剛性について大差があるわけではないわけです。

このように作者は鉄道についても特に知識や関心が無いのではないかと受け取れる描写がこれ以外にも多々見受けられる為、「原作者が鉄道描写についてキレた」という話は極めて高確率でデマなのではないかと僕は考えています。

ところでこの小説においては現実世界においては「インターン」と呼ばれるようなものが「OJT」と呼ばれていたりする、作中傑出した経営者として賞賛される経営者の行動が極めて雑(不動産を切り売りしただけ)など作者の社会経験が極めて薄いことが散見されます。

しかしながら作者は 20 年のサラリーマン経験のある人物であり、また作者はこの怪文書を否定するにあたって自らの会社員経験を誇示するような姿勢をとっています。

このあたりどういうことなのか少し考えていたのですが、以下の二つが考えられると思います。

  1. タイトーには動物園のような部署があり、ゲームのことしか考えていないような動物を猛獣使いのような管理職がハンドリングしてゲームを作っている
  2. 豊田巧は企画と大まかなストーリーを考えているだけで実際に書いているのは別人

こちらからは以上です。

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