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感想書こう書こうと思って読み終わってから四日経ってた。感想書く。
雑誌組からの事前情報で、ジャムとの戦闘シーンが全然無いとか聞いてたんだけど、読んでみたらほぼ全編ジャムとの戦闘シーンでちょっと胸焼けするレベルだった。前作前前作ではジャムとの戦闘シーン以外のシーンも結構あったんだけど、本作は本当にほぼ全編ジャムとの戦闘シーン。確かに「空戦」のシーンは殆ど無いんだけど。
空戦シーンをほぼ無くしたかわりに、思考と議論を以って延々とジャムと戦い続ける。
劇中の言葉を使うとジャムの仕掛けた「物理トリック」を特殊戦のみんなが破り、そしてそれを以ってジャムに逆撃を加えるべく戦うという話なんだけど、正直そう読み易い話ではない。というか異常に読み辛い。
SF では割とよくある存在の不確定性ネタなんだけど、そこに人間の意識や言語がどうたらこうたら、みたいな話をぶつけてきて、さらにジャムは言語での記述が不可能な存在という事実が明かされたりでもう何が何だか、という感じ。
そんな感じで、本作では機械というよりは、人間の意識、意識と言語の関係、人間とは何か、というのがメインテーマっぽくなってる。雪風がどうのこうの、というのは基本的にグッドラックで解決してしまったからなんでしょう。その辺りのエピソードとしては零が雪風の真意に気付く、というようなのがちょっと盛り込まれているくらい。
その雪風ですが、何を考えてるのかよく分からないまま零をふった初代、よりを戻してツンデレ化したグッドラック、という変化に続いてどうなるかと思われたが、もう零にベタベタ。かわいい、いや違う、惚気んな殺すぞ、という感じ。
それ以外にもブッカー少佐の過去が明かされたり、クーリィ准将が何故戦うのか、何故ジャムに負けないのかというのが本人視点で描かれたりと非常においしい感じ。ロンバートの手紙や視点もかっこいい。
ストーリーの展開は「物理トリック」の正体を追うというような感じでこれまでになくミステリアス。推理ものとしての魅力もあると思う。
時間も場所も意味の無い世界を描いている都合上極めて展開が追いづらいのだけど、「物理トリック」の正体を明かす前準備として雪風の時間をもとにおさらいをしてくれるのでそこで整理をできる。一気に読んでしまうのがいいと思う。
旧作二作とかライトジーンの遺産とかその辺りを読んでた神林長平ファンなら買いだと思う。文庫落ちするの待つことなく買っちゃえばいいんじゃないでしょうか。雪風、ほんとうにかわいいですよ。
そういえば、アンブロークン・アローでは文章の人称がかわってる。前二作では基本的に三人称視点だったのが、本作では基本的に一人称視点になっている。でも零の視点のシーンだけは三人称視点。これって何か意味あるのかな?
三人称の視点は「ジャムの視点」とか妄想してみたりすると面白い。
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最終更新時間: 2010-07-29 23:21