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屋久島沈没
ustream でおすすめの本を教えてなどと言われたので
適当に数冊紹介する。
神林長平 - 膚の下
あなたの魂に安らぎあれに登場する破壊神エンズビルが生まれるまでの軌跡を通じて、何かを造る/作る/創る、とはどういうことかということを突き詰めた小説。価値とか生きる意味とかそういうものについて一定の示唆を与えてくれる小説だと思う。欠点を言えばクソ長い。耐えられない人も多いかも。
ジェイムズ・エルロイ - アメリカンアンダーワルドシリーズ
暗黒の L.A. 四部作、アンダーグラウンド USA 三部作、という言い方の方が通りがいいかも。今は両シリーズを合わせてアメリカンアンダーワールドシリーズと呼ばれてたりする。時系列的に繋がってるし。既刊 12 冊。
50 年代から 60 年代アメリカを舞台にした「歴史小説の傑作」
第一作ブラックダリアでは有名な殺人事件ブラックダリア事件を、第二作ビッグ・ノーウェアでは赤狩りを、第三作 L.A. コンフィデンシャルではディズニーランド建設とカフェでの大量殺人事件を、第四作ホワイトジャズではドジャー・スタジアム建設の裏側で繰り広げられる暗闘と陰謀を、第五作アメリカン・タブロイドではキューバと JFK 暗殺を、第六作アメリカン・デス・トリップではベトナムの泥沼/ヘロインの氾濫/ハワード・ヒューズのヴェガス買収/公民権運動/キング牧師暗殺/RFK 暗殺をそれぞれ描いている。
暗黒小説とか形容されて暗いイメージが付きまとう作品群で、実際暗いストーリー展開が続くんだけど、根底にあるのは「男が成長する物語」。特に L.A. コンフィデンシャルはそれが顕著で、卑怯者で臆病な刑事エド・エクスリー(映画ではイヤミなでも実は正義感の強い男、という風に改変されてたけど小説での彼は遥かに強烈、歪みまくり)がバド・ホワイトやジャック・ヴィンセンズに触れて「完全なる正義を持った臆病者」に成長するまでが描かれる。エクスリーが「完全なる正義」の意味を知るシーンは特に強烈。暗い物語では、あるけれど、男が成長していく様はどこか爽やか。
アメリカン・タブロイドとアメリカン・デス・トリップでは登場する史実キャラがほぼすべて一様に「クズ」としてリファインされている。たとえば JFK は覚醒剤狂いのセックス狂、キング牧師は白人のデブ女とセックスするろくでなし、というように。そういう史実の人物達が織り成す暗黒の物語にエルロイのオリジナルキャラの成長物語がうまく絡められている。
全部あわせると結構なボリュームになるけどおすすめです。
それからディズニー大好き!!という人は L.A. コンフィデンシャルは回避した方がいいかもしれません。かなり酷い内容になっています。
北方謙三 - 楊家将/血涙
北宋建国期の軍閥楊業とその息子達と遼の将軍耶律休哥、耶律奚低を主人公として宋と遼の激戦を描いた小説。既刊四冊で完結。北方謙三の中国史小説はどれも長いのだけれどこのシリーズは比較的コンパクトにまとまっている。北方謙三の作品の例に洩れず、とにかく漢達が熱い小説。時系列的にも出版順的にも、楊家将-血涙の順番なんだけど、血涙-楊家将の順番に読んだ方がいいかと思います。
マックス・ヴェーバー
これに関しては特に言うことはないです。学んで絶対損しない。プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神は注釈だらけで致命的に読みづらいですが、他はまあそうでもない。大塚久雄の解説書とドイツ語の辞書をを横に置きながら読みましょう。 10 年ぐらいかけるつもりで読むのがいいと思います。
そんな時間なんかねえよ、って人は『ヒンドゥー教と仏教』と『音楽社会学』だけをとりあえず読めばいいかと思います。
まだまだいくらでも紹介したいものとかあるけど終わらないのでこのくらいで。
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